演劇ごはん:『彼女がお店を去る時に~第3話~』主菜とデザート。 さて、いよいよこの演劇ごはん『彼女がお店を去る時に』の観劇ブログも今日が最後。 第3話は、お料理でいうと主菜とデザート。 第1話の何度も時間を巻き戻し、シーンをループさせたものの、告白まで行き着けないまま終わった森野と里美のその後の話。 第3話は、漫画や落語でいうとオチの要素もあるので、第2話までのようにあらすじを細かく書かない方が良いかなと思うので、あらすじは短くサラッと。 何故なら、『彼女がお店を去る時に』は、28日まで上演しているので、オチを言わない方が良いかなと。 あれから少し時間が経ち、再度、森野が里美に告白と菜摘の働くいつもの店に、里美を食事に誘い、告白しようとした時、第1話の時のように真嶋が入って来て、何やら里美との...2018.01.24 06:48観劇記
演劇ごはん:『彼女がお店を去る時に~第2話~』前菜編 『れんこんだけのオードブル』を食べ終えた、程良いタイミングで、第2話が始る。 お料理で言ったら前菜。 常連の杉崎が、菜摘の店で食べたご飯の代金を払おうとして、財布を落とした事に気づき、菜摘と飄々と小さく揉めていた所に居合わせた、実家を継ぐ為に証券会社を辞めてゆく同僚にランチをご馳走しに来ていた2人のサラリーマン。 友人に奢ろうとしていたサラリーマンが、そんな杉崎を有り得ないなどといろいろ言った挙句に、自分も財布を落とした事に気づき、菜摘が店に野菜を収めている農家の人が店に来た時は、食事代を取らずにサービスしている事を知り、この場は何とか野菜の生産者を装い凌いで、後日食事代を払おうとすることから起こる、噛み合っていないのに噛み合って...2018.01.23 06:01観劇記
演劇ごはん:『彼女がお店を去る時に』 薬局とヨーロッパのお洒落なフレームを扱う眼鏡店の間の細い道を入って、すぐの所にその店はある。 熱い思いを持ち、オーガニックの野菜を育てている農家から直接届く新鮮な野菜と真っ当な食材を使ったお料理の楽しめるオーガニック・レストラン、南青山野菜基地。 トントンと3段ほどの階段を下り、ドアを開けると、『いらっしゃいませ』と明るく歯切れの良い声が迎えてくれる。 「こちらにどうぞ」とテキパキとカウンター席に案内する女性。 その女性こそ、『彼女がお店を去る時に』の主人公、佐伯菜摘役の宮本京佳さん。 カウンターの中で明るい声を響かせて、飄々と小気味よく働いているの様子の良い男性は、菜摘と一緒にこの店で働く、杉崎亮司役の柳田幸則さん。 そう、既に...2018.01.22 06:14観劇記
演劇ごはん:『彼女がお店を去る時に』 昨日のお昼、指先が悴むほどの寒い朝、家仕事を手早く済ませ、予約していた本を図書館で受け取った足で、青山一丁目駅から少し歩いた所にある南青山野菜基地に、宮本京佳さんが出演される演劇ごはん『彼女がお店を去る時に』を観に行って来ました。 今回も長い観劇ブログになりそうなので、数回に分けて書きます。 先ずは、演劇ごはんと『彼女がお店を去る時に』について。 演劇ごはん『彼女がお店を去る時に』は、「田舎と都会のあいだ」をコンセプトに農家から直接届く新鮮な野菜を含む、真っ当に正直に作り育てた食材を、化学調味料や人工甘味料、乳製品アレルギーを持っている人も安心して食べられる乳製品を使わない、野菜だけのお料理も充実しているというオーガニック・レスト...2018.01.21 06:45観劇記
演劇ごはん:『彼女がお店を去る時に』 昨日のお昼、指先が悴むほどの寒い朝、家仕事を手早く済ませ、予約していた本を図書館で受け取った足で、青山一丁目駅から少し歩いた所にある南青山野菜基地に、宮本京佳さんが出演される演劇ごはん『彼女がお店を去る時に』を観に行って来ました。 今回も長い観劇ブログになりそうなので、数回に分けて書きます。 先ずは、演劇ごはんと『彼女がお店を去る時に』について。 演劇ごはん『彼女がお店を去る時に』は、「田舎と都会のあいだ」をコンセプトに農家から直接届く新鮮な野菜を含む、真っ当に正直に作り育てた食材を、化学調味料や人工甘味料、乳製品アレルギーを持っている人も安心して食べられる乳製品を使わない、野菜だけのお料理も充実しているというオーガニック・レスト...2018.01.21 06:45観劇記
PhotoStoryGallery:『-4℃の朝』 東京の気温が、-4℃になった朝。 いつものように、出勤するために家を出て歩き出す。 ふと、あなたも同じ空を遠く離れた北の地で、見ているだろうかと立ち止まり、空を見上げた。 あなたの居る北の地は、きっともっと寒い筈。 あなたが隣に居たならば、あなたの隣に居たならば、寒いねと言って、手を繋いで温め合うことも出来るのにとひとりごつ。 白く氷った息が夜明け前の空に、ふわりと昇ってゆく。 あなたの名前を、そっと唇に乗せてみる。 胸の内が、ほっこりと温かくなる。 距離がふたりを隔てても、まだ、大丈夫。 あなたを思う度、あなたの名前を呼ぶ度に、心にぽっと火が灯るから。 離れていても、あなたとの明日を疑わずにいられる今があれば。 「行ってきます」...2018.01.16 06:00photo story gallery
ゲイジュツ茶飯:『バイオレットピープルの涙』 底冷えのする金曜日の夜、仕事を終え、急いで新中野のワニズホールヘ、劇団おぼんろのさひがし ジュンペイさんプロデュース、ゲイジュツ茶飯第3回公演『バイオレットピープルの涙』を観に向かった。 昨年の秋、この場所でゲイジュツ茶飯の立ち上げ公園を観たのを思い出す。 ワニズホールの階段を地下へと降り、劇場へ足を踏み入れると、舞台の上には1脚の椅子と1台のテーブルがあるのみ。 その舞台の上に描き出されたのは、6編の短編芝居。 さひがし ジュンペイさんとわかばやし めぐみさんの『イエドロの落語』でもお馴染みの『カツ丼女』から始まり、『デリへル頼んでみました』『火の用心』第1弾公演でも上演した『東へ西へ』『月、ミチル』ラストの末原拓馬さん脚本の『...2018.01.15 06:20観劇記
短編小説:『恋水』「恋水」 「ありがとう」と言った途端に、ひと粒ぽろりと涙が零れた。 あなたの痛ましそうな、すまなそうな眼差しが、困惑させ、少しだけ私を傷つける。 どんなに変わらないと思っていても、どんなに愛していても、時が移ろう事を、人の心が移ろう事を止められない。 彼は彼のやり方で、私にたくさんの幸せと、心をくれた。そして今、彼のやり方で、告げた別れを、私は受け止めるしか出来ない。それが、私が彼に最後にあげられる最大のギフトだから。 「涙じゃなく、恋水よ。」精一杯の微笑みで告げる。そう、涙じゃなく恋水。恋の為に流す涙。愛した証。後悔じゃなく、やさしくて、愛しかった恋の為に流すあたたかい涙。文:麻美 雪2018.01.10 12:15短編小説
カプセル兵団:『アクティブイマジネーション朗読劇 日本の神の物語~古事記の世界【舞台役者編】~』 年の瀬、麗らかな陽射しを背中に感じつつ出掛けた、八幡山ワーサルシアター。 去年の観劇納めは、劇団おぼんろのわかばやし めぐみさんが出演されたカプセル兵団超外伝吉久直志プロデュース公演《アクティブイマジネーション朗読劇》 『日本の神の物語~古事記の世界【舞台役者編】~』(公演名もタイトルも長過ぎてブログタイトルが入り切らないので、正式な公演名とタイトルは、本文のこちらに書きました)。 今回は、いつものように、役者さん一人一人について書くのではなく、舞台全体について、感じたこと、思ったことを書いてみたいと思う。 劇場の中へと進み、席に着く。舞台には、少しずつずらして置かれた10脚の椅子のみ。 朗読劇なので、舞台装置は無く、10脚の椅子...2018.01.04 07:31観劇記
末原拓馬:『2017年を忘れないための会』 年の瀬、麗らかな年末年始休暇の初日、美容室に行き、劇団おぼんろの公演や末原拓馬さんの単独公演などを観に行って仲良くなった友人とゆっくり食事をした後、吉祥寺STAR PINE'S CAFEで、末原拓馬さんの『2017年を忘れないための会』を観て参りました。 この日は、シンポジウム風に、劇団おぼんろと末原拓馬さんの1年間の活動を振り返りつつ、舞台の裏話やあんなこと、こんなことを歌を挟みつつ話したり、昨年の夏、伊豆でその土地の子供たちを集めて紡ぎ上演した『野良の方舟』や、昨年末おぼんろを退団した藤井としもりさんの劇団おぼんろ最後の舞台、『キャガプシー』の映像を少し流したり、おぼんろのさひがし ジュンペイさんとわかばや しめぐみさんが舞台...2018.01.03 08:21観劇記
言の葉コラム:『言葉惜しみ』 『あけおめ』『ことよろ』『やばい』。 最近とみに、言葉が縮められ、省略されてゆく。 パッと聞いた時、何のことやらわからない言葉が溢れている。 それが、私はとっても切ない。 言葉を縮めたり、省略することはその言葉に込めた気持ちも縮められ、省略されてしまったようで、何だか鼻白み、心がスカスカと薄ら寒くなる。 あまりに言葉を縮めたり、省略したりして、ケチケチと出し惜しみをすると心までケチケチしてしまいそうに思う。 言葉をケチって出し惜しみすると、思いも言いたいことも伝わらず、時に思いもしない誤解さえ受けることがある。 言葉はタダです。 お金も時間もかかる訳では無いのです。 だったら、何でもかんでも縮めたり、省略したりせず、きちんとした言...2018.01.01 15:31言の葉コラム