劇団シアターザロケッツ:『よつば診療浪漫劇』2020年弥生 過日 PM14:00 中野 ザ・ポケット 午後から雨だという天気予報が嘘のような、麗らかで暖かな昼下がり、桜が街を染める弥生過日、劇団シアターザロケッツ第十回舞台公演『よつば診療浪漫劇』を観に中野 ザ・ポケットへと足を運んだ。劇場に入り、席に着き、目の前に広がったのは、 時は大正。所はよつば診療所。 若い女を連れて蒸発した父、父の蒸発後、母を病気で亡くした事がきっかけになり、医者になってよつば診療所を開業した真(井上貴々さん)の診療所に、波乱の半生を送った末に泥棒家業に至り、息子の診療所と知らずに空き巣に入り、診療所で出くわした面々についた嘘が原因で逃げるに逃げられなくなった父 次郎と診療所に訪れる人たちが繰り広げる...2020.04.07 06:43観劇記
Mono-Musica:『音楽劇 名探偵アンドリュー氏と黄昏の家』2020.3.21㈯ PM14:00 新中野ワニズホール 前日までの肌寒さが嘘のように、固く蕾んだ桜が微笑むように花開き、冬のコートもジャケットも要らない、麗らかに晴れてほんのり汗ばむ程に暖かな土曜日の昼下がり、新中野の空の下、Mono-Musica『音楽劇 名探偵アンドリュー氏と黄昏の家』を観るために、ワニズホールへと足を運んだ。 美形でちょっぴり傍迷惑な自称、完全無欠の天才探偵アンドリュー(杏さん)、しっかり者の助手(ヤヤさん)、依頼人の伯爵令嬢・遠城寺十和子(チャングさん)とその夫遠城寺匠(MIKUさん)、十和子の持つ画家カヴァネラの描いた『黄昏』を狙う、冒険小説に登場する『美しき女怪盗ビューティー仮面』。 江戸川乱歩の『明智...2020.03.27 06:05観劇記
時代絵巻AsH番外公演:『鬼人幻燈抄~水泡の日々~葛野組』 2020.3.14㈯ PM19:00 池袋シアターグリーン・BASE THEATRE 雨から束の間の春の雪へと移ろい、ひらひら雪の舞う土曜日の夜の池袋をシアターグリーン・BASE シアターへと時代絵巻AsH番外公演『鬼人幻燈抄~水泡の日々~葛野組』を観に足を運んだ。 幕が開いた瞬間から、引き込まれ気がつけば冷えた身体がいつの間にか暖まり、いつきひめである白夜(櫻井彩子さん)と幼なじみで巫女守である甚太(村田祐輔さん)の互いに抱く恋心を自らの胸の奥底に沈め、白夜は集落の者たちと集落の繁栄の為に、鬼に殺された先代のいつきひめだった母の後を幼くして自らの意思でいつきひめを継ぎことを決め、その決意を美しいと思い支える事を選んだ甚太の二人以...2020.03.26 06:04観劇記
飯田ナオリ1人朗読劇PLUS:『風曜日シアター11』2020.2.22㈯PM19:00 渋谷ギャラリールデコ6 飛ばされそうなほど強い、春一番かと思う風が吹き荒れた土曜日の夜、渋谷のギャラリー Le Deco 6階に、飯田ナオリ1人朗読劇PLUS『風曜日シアター11』を観に足を運んだ。 今回は、休憩なしの2時間半『とこしなえ郵便局 カゲフミ森の黒羊』が、早春の夜にそっと紡がれた。 現世では、人と違うというだけで白い羊の群れの中の黒い羊のように、蔑まれ、疎まれ、謗られ、石もて追われ、排除され、無視され、傷つき、絶望して生きて来たソムニオ(日比 博朋さん)とシルヴァ(飯田南織さん)。 絶望の中、出会った二人が森の中で、ひっそり互いの心を温め合うように束の間の幸せな時間を、それ...2020.02.24 06:20観劇記
劇団現代古典主義:『THE BROTHERS KARAMAZOV』 2020.2.8㈯PM14:30 劇団現代古典主義アトリエ 前日よりは幾分か暖かいとはいえ、寒の戻りの寒さが続く土曜日の昼下がり、代田橋の空の下、劇団現代古典主義アトリエに、劇団現代古典主義THE 4th floor series vol.7 逆再生『THE BROTHERS KARAMAZOV』を観に足を運んだ。 アトリエに入り、席に着くと正面に、人二人立てる程の小さな演台が3つ少しずつ離して置かれているだけで他には何も無い舞台がある。 其処で繰り広げられるのは、ドフトエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を原作にし、複数の場面に分割し同時間枠での別地点の物語を同時に進行し、台詞が様々な場所から次々に発しられ、時に同時に響き合う劇団...2020.02.12 06:14観劇記
スカレッティーナ演劇研究所:『夢十夜』 2020.2.7㈮PM20:00/2.8㈯PM17:00 東中野RAFT 寒の戻りの染み入るような寒さのただ中、金曜日の夜と土曜日の夕方、東中野RAFTで上演していたスカレッティーナ演劇研究所 第一回 実験室朗読会『夢十夜』に足を運んだ。 小西優司さん主宰のスカレッティーナ演劇研究所の朗読会は、2/8㈯17時の小西優司さんの独演会以外は、11名のメンバーの中から4~5名をレギュラーとして全ステージに出演しそれ以外は出演者が日替わりとなり、そこへ毎日日替わりのゲスト出演者を加えた10名で『夢十夜』を1話ずつ朗読する形式。 劇場に入ると、真ん中に斜めに置かれた椅子が一脚あり、その椅子を挟むように左右に向かい合わせて椅子が並...2020.02.11 06:04観劇記
REON NEO COMPANY:『帝都メルヒェン探偵~幽霊屋敷のブレーメン~』 2020.2.1㈯PM13:00 池袋シアターグリーン BIG TREE THEATER 明け方地震に揺り起こされたものの、麗らかに晴れた土曜日の池袋を、池袋シアターグリーン BIG TREE THEATERへREON NEO COMPANY vol.2『帝都メルヒェン探偵録~幽霊屋敷のブレーメン~』を観に足を運んだ。 2階にある劇場へ入り、前から3列目の真ん中の席へ着くと目の前には、この物語の舞台となる“カフェグリム”の店内が現れる。 階段を下り、舞台右手に千崎理人の教育係であり、店主小野カオルに仕える“カフェー・グリム”の店員三宅が、珈琲を淹れるカウンター、舞台の左右に二人掛けの席が一席ずつある“カフェー・グリム”を舞台に起こ...2020.02.04 06:04観劇記
下北沢Bar Project:『カラクリ危箱祭』 2019.1.13㈪ 下北沢 Bar DUKE CAPO 松の内も明け、お正月気分も抜けた夕暮れの下北沢を篠原志奈さん主宰の『下北沢Bar Project カラクリ危箱祭』を観るために、下北沢 Bar DUKE CAPOへと足を運んだ。 『下北沢Bar Project カラクリ危箱祭』は「芝居の敷居ってなんか高くて…」「Barとかお洒落過ぎていけないよ…」という方々にももっと気楽に、友達の家に遊びに来る様な気持ちで、窓の外を眺めながら缶ビールを飲む様な、皆とわいわいしたり、ぼーっとご飯食べたり飲んだりしたり、そんな感じで楽しんで欲しいと劇場を飛び出し、下北沢の大好きなBARとコラボして素敵なイベントを行うというとてもアバンギャルド...2020.01.17 06:52観劇記
スカレッティーナ演劇研究所:『温室の前』 2019.12.19㈭ PM19:30 東中野RAFT 鈍色の空が広がる、師走の中野坂上を東中野RAFT へスカレッティーナ演劇研究所 第一回実験室公演『温室の前』を観に足を運んだ。 スカレッティーナ演劇研究所は、今年3月に解散したアクト青山主宰の小西優司さんが、4月に新しく立ち上げた劇団月とスカレッタと共に、レッスン機関として立ち上げた演技研究所。 今回の『温室の前』には、そのスカレッティーナ演劇研究所の第一回実験室公演。 なぜ、実験室公演なのかは、この舞台を観れば朧気ながら解るだろう。 岸田國士の戯曲『温室の前』を、ABCDの4チーム、西原役の小西優司さんとABチームの貢役の高村賢さん、CDチームの貢ぐ役の佐古達哉...2019.12.23 10:53観劇記
Mono-Musica:『BLACK SANTA GIRL』 2019.12.14㈯ PM18:00 池袋オペラハウス 師走の慌ただしさの足音が近づく池袋を、Mono-Musica『BLACK SANTA GIRL』を観るため足を運んだ。 劇団現代古典主義の土肥亜由美さんが、Twitterで紹介していて、過去の公演のダイジェスト動画を見て、その格好良さにすぐこの舞台のチケットを取ったMono-Musicaは、女性キャストだけのミュージアム劇団。 何もない舞台の上で紡がれるのは、人生の終演をプロデュースすると謳う国内最大手の葬儀会社の腕利き営業マンルドルフ=グッドマン(杏さん)が、悪い子にプレゼントを届けるブラックサンタガールだと名乗る黒いドレスの少女・シュトゥルーデル(ひかりさん)と出会い、...2019.12.17 07:50観劇記
劇団 燈楼:『誰が為に鐘が鳴るなり法隆寺』 2019.11.23㈯ PM13:00 中野 劇場HOPE 前日から降り続く雨の中、のぐち 和美さん、椿 紅鼓さんが出演されていたoffice RI.coプロデュース 劇団 燈楼 旗揚げ公演『誰が為に鐘が鳴るなり法隆寺』を観る為、足を運んだ。 一段高くなったアクティングスペースが舞台の中央にある以外、一切の物が削ぎ落とされた空間で繰り広げられるのは、あることをきっかけに人生を見失い、大事な試合に負けるために挑もうと考えていたボクサー登坂直樹と同じ頃、ヤクザの成門が些細ないざこざから新宿歌舞伎町で刺され、死にかかっている所へ偶然現れた日本神話の神様、天照大神と須佐之男命の二人が好奇心から成門を助け、登坂の計画を狂わせ、助けられ、計画...2019.11.26 06:10観劇記
Ortensia:第六回公演『我が子、ハムレット2』 2019.11.22㈮ PM15:30 東中野RAFT 朝から篠突く雨が降る手袋無しでは指先が凍える金曜日の昼下がり、東中野RAFT へと1年2ヶ月前に観て、続編若しくは再演を熱望し、続編が決まってから心待ちにしていたOrtensia第六回公演『我が子、ハムレット2』を観に足を運んだ。 『我が子、ハムレット』から1年2ヶ月の時を経て、目の前に繰り広げられるのは、20年振りに正月公演で、本格的に女優に復帰する事になった嘗て伝説の女優と呼ばれた母加代子が、一人、都内の稽古場に籠り、復帰舞台『奇跡の人』の稽古をするも、20年のブランクは、加代子に『演じることの自由』を与えてはくれず、自分がどのように演じていたのか、一人稽古を...2019.11.25 07:53観劇記