昨日のお昼、指先が悴むほどの寒い朝、家仕事を手早く済ませ、予約していた本を図書館で受け取った足で、青山一丁目駅から少し歩いた所にある南青山野菜基地に、宮本京佳さんが出演される演劇ごはん『彼女がお店を去る時に』を観に行って来ました。
今回も長い観劇ブログになりそうなので、数回に分けて書きます。
先ずは、演劇ごはんと『彼女がお店を去る時に』について。
演劇ごはん『彼女がお店を去る時に』は、「田舎と都会のあいだ」をコンセプトに農家から直接届く新鮮な野菜を含む、真っ当に正直に作り育てた食材を、化学調味料や人工甘味料、乳製品アレルギーを持っている人も安心して食べられる乳製品を使わない、野菜だけのお料理も充実しているというオーガニック・レストランで南青山野菜基地を舞台にして、3話の短編芝居でを紡ぐ舞台。
演劇ごはんて何?
演劇ごはんは、『飲食店や生産者の想いをドラマ化しコメディタッチの演劇で飲食店をそのまま舞台にして目の前のお客様へ届けるというもの。
演劇は、食前酒のような、新しい調味料のような、お料理がより一層美味しく感じられるスパイスであり、居合わせたお客様も目の前で繰り広げられる物語の世界の住人となり、物語の分岐点では、二者択一でお客様の多数決で選んだ結果で物語の結末が変わったり等、お客様参加型のライブ感や臨場感、一体感と共にお食事を味わう事が出来て、時には食材の食べ比べがあったりという、日常と非日常が交錯する特別な空間で、五感全てで芝居と食事を楽しむ美味しいアトラクション。
と、演劇ごはんについて、大まかながら説明したところで、ここから先はいよいよ『彼女がお店を去る時に』の事について書いて行きますが、先ずは各章ではなく、ざっくりながら全体のあらすじから。
店員佐伯菜摘は、お店で出している野菜とそれを作る農家や作り手に感謝し、その野菜を使って作った料理とその野菜を作る人たちに愛着と熱い思いを持っている。
彼女がいつも思っているのは、『結局、おいしさを生み出すのは、ごまかしのきかないまっすぐなもの。』だということ。
そんなお店と作り手に並々ならぬ思いのある彼女が、実家の大豆農家を継ぐためにお店を辞めることを決める。
彼女がお店を去る時に思い出すのは、思い出深いお客様とのエピソード。
そのエピソードが、3編の物語として描かれ、物語の中で出て来たお料理が、1話終わる毎に物語の住人となった私たち観客にも提供され、味わうというのが、この『彼女がお店を去る時に』。
次回は、第1話について書きます。
文:麻美 雪
→『彼女がお店を去る時に~第1話~』アミューズ(突き出し)編に続く。
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