記憶の中の舞台:『ヴルルの島』 クリスマスなので、去年観てからずっと大好きで、心と記憶に残っているクリスマスにぴったりの劇団おぼんろの『ヴルルの島』の観劇ブログをこちらにも載せてみた。 クリスマス・イヴの昼下がり、普段なら昼でさえ一人で通り抜けるのも躊躇われる歌舞伎町がイヴの土曜日、恋人や家族連れで賑わう中、ひとり人混みを縫って向かったのは、今は無き新宿コマ劇場の斜め前にあるヒューマックスビルの7階にある新宿FACE。 扉を抜け、足を踏み入れて広がるのは、おぼんろの世界。 「想像して下さい」 いつものように、末原拓馬さんのこの言葉から、物語の入口へと導かれる。 閉じた目蓋の裏に広がったのは、X'masの夜の森にふわふわの毛に縁取られたフードの付いた真っ白なコート...2017.12.25 06:00記憶の中の舞台
幻想芸術集団 Les Miroirs:『cafe&bar MIROIR』 キンと冷えた空気を冬の麗らかな陽射しが温め始めた昼下がり、自由が丘にある小さくて静かなBARMumに幻想芸術集団 Les Miroirsの月1回開くサロン『cafe&bar MIROIR』に行って参りました。 今年1年、毎月1回開催されていた幻想芸術集団 Les Miroirsのサロン『cafe&bar MIROIR』毎回、行きたいと思いつつ、伺うことが出来ずにいたのですが、今年最後のサロンは芸術集団れんこんきすたの中川朝子さんがスペシャルゲストで、8月の『Le Matin‐ル・マタン‐vol.2』で上演した『Dawn blood』を『Le Matin‐ル・マタン‐vol.2』ではやらなかった『Dawn blood...2017.12.20 06:20観劇記
オルタナティブシアター杮落とし公演:『ALATA~アラタ~』~~早乙女友貴編 冷たい風が吹き、銀杏の落葉が歩道に金色の絨毯を敷き詰めた先週の土曜日、有楽町のオルタナティブシアターに、オルタナティブシアター杮落とし公演『ALATA~アラタ~』を再び観に行って来ました。 10月に友人に『面白い舞台があるのだけど、ご一緒しない?』と誘われたのがきっかけで観に行った『ALATA~アラタ~』。 これがもう、今まで観た事がないほど、血湧き肉踊り、面白くて、感動して、観終わっても1ヶ月ほど興奮覚めやらぬ舞台で、観劇後、友人と夕食を認めながら、気づけば3時間舞台のことを『凄いもの観たね』『もう1度みたいよね』『こんな良い舞台観ないの勿体ないよね』『一人でも多くの人に知って貰って、観てもらいたいね』と語り合うほど素晴らしい舞...2017.12.19 06:13観劇記
まほろば主催:『HO. KO. LA』 冷たい冬の風が吹く、先週の金曜日、終業と同時に会社を飛び出し、仕事終わりに向かったのは恵比寿から歩いて7分ほどの所にあるにある恵比寿CreAtoでTwitterのフォロワーさんでもある“まほろば”が主催の『HO. KO. LA』という物語を、演劇と映像とまほろばを始め、四組の和楽器のバンドによるライブ演奏で綴るというライブイベント。 ギュッと要約して言うと上記のような内容のライブイベントなのですが、観ていない方にもイメージし易く説明しますと、『HO. KO. LA』は、和太鼓[ 達-TATSU- ]さんと歌[ 春-HARU- ]さんによる夫婦音楽家である“まほろば”が『お客様ひとりひとりへの"おもてなし"をコンセプトに、HO.KO...2017.12.18 06:00鑑賞記
PhotoStoryGallery:『毒の華』 咲いて咲かせて、毒の華。 あなたの心に焼き付いて、記憶からも消えない程に、残ればいい。 あなたが見たい私の姿、その儘に。 あなたが求めた、触れたら壊れ、堕ちてゆく、妖しい毒を孕んだ女の残像を。 何処にでもいる、目立たない、庭の隅でそっと蹲って咲いている私ではない、毒の華。 咲いて咲かせて、毒の華。 あなたの心に染み付いて、消えないならば、本当の私の花なんて、手折ってしまえと思ったけれど。 淋しい時に、そっと寄り添い抱きしめた、やさしい花が愛しくて、私は毒の華になり切れない。 咲いて咲かせて、毒の華。 私は、庭の片隅で、あなたに気づかれることも無く、ひっそりかんと、悲しい時に寄り添って、心に咲いたやさしい花に看取られて、土に還ります...2017.12.14 06:00photo story gallery
PhotoStoryGallery:『紅い花を手折って』 紅い花を手折って 私に下さい 花の紅い色は 私の心が流した泪。 あなたの色が移ろって、色を失くした 私の心が流した涙が染めた 紅い花は私。 だから、その紅い花を手折って、 一輪私に下さいな。 photo/文:麻美 雪2017.12.11 06:13photo story gallery
なかがわ×なかがわ:『月とカーニバルのおはなし』② ここからは、ポンポンと空に星を置いてゆくように、『月とカーニバルのおはなし』を観ている私の頭の中に浮かんだこと、言葉、イメージ、感じたことを書いてゆこうと思う。 好きな雰囲気のお話なのだけれど、不思議な感覚に包まれるお話しだったので、伝えるのが難しく、それ故に、取り留めのない書き方になるかも知れませんが、ご容赦下さい。 一つの役を2人或いは3人で演じるこの舞台、観に行った日や時間によって、役者さんが変わるので、同じ話でも毎回違う舞台を観ている感じになったのだろうと思う。 音楽の中川えりかさんと丘咲アンナさんだけが、全回出演する。 この日の酒番は、蓮根わたるさん。 蓮根さんの酒番は、カラネ(空音)という名。カラネ(空音)と聞いて、...2017.12.06 06:11観劇記
なかがわ×なかがわ:『月とカーニバルのおはなし』① さらさらと黄金色の銀杏の葉が舞い散る土曜日のお昼、御徒町のワロスロード・カフェに蓮根わたるさん、中川えりかさんが出演されている『月とカーニバルのおはなし』を観に行って来ました。 駅から5分程歩き、狭く急な階段を上がったビルの3階。扉を開けると真っ赤なカーテンと壁、ジャズの流れる小さなBAR、そこがワロスロード・カフェ。 飲み物を飲みながら、開演を待つ。程よく心地好いざわめきに身を任せていると、誰いうともなくざわめきが徐々に空気に溶けて消えたその時、ゆるゆると『月とカーニバルのおはなし』の物語の扉が開いた。 此処はどこかの街の片隅にある、とあるBAR。 カウンターの中には、酒番(蓮根わたるさん)がひとり、そこへ自分の家に帰った来たよ...2017.12.04 06:12観劇記
詩:『蒼い花』『蒼い花』 ぽっちりと 誰もいない 庭の片隅に 蒼い花が咲きました 秘してひとり あの人の花が 心地よく咲くのは 此処ではないと 知った夜 心にそっと 咲いた 蒼い花詩:麻美 雪 2017.12.01 07:33詩