演劇集団アクト青山:”テアスタ・オーロvol.5『誤射 〜葵祭の陰で〜』 2018.5.25㈯ 15時 千歳烏山 アクト青山 夏の香りのする陽射しを身に纏いながら、昼下がりの千歳烏山からアクト青山へと、演劇集団アクト青山のテアスタ・オーロvol.5『誤射 〜葵祭の陰で〜』を観に向かった。 明かりを抑えたアトリエの中に入ると、外の眩さが嘘のよう。微かに車の走る音や話しながら通り過ぎる人の声が聞こえるものの、外の喧騒が静まった薄暗いアトリエのL字に設えられた客席。 部屋の左手隅の客席ぎりぎりに、テーブルを挟んで向かい合わせにソファが置かれている。手前のソファの斜め後ろの席に着く。 右手のいつも客席のある場所に、壁を背に斜めに置かれた黒地に銀糸の織柄が施された布張りの猫足の肘掛椅子が一脚と、椅子にぴったりとく...2018.05.31 06:45観劇記
劇団おぼんろ:第16回本公演『キャガプシー』 2018.5.19㈯ PM12:00 葛西臨海公園 抜けるような青空を背景に、広い草原(くさはら)に建つ極彩色の布を縫い合わせたサーカス小屋を思わせるテントの中に劇団おぼんろ第16回公演『キャガプシー』を観るため私は居た。 テントの前には、頭部や手だけの人形や、微妙に違う声と言い方で“あぁぁ”と叫ぶ人形が三体ポツリポツリと置かれている。 テントの中に足を踏み入れ、席に着き、天井を見上げると、公演のタイトルが書かれた薄衣が屋根のように下がり、その下に演じる場所が囲われてはいるものの段差はなく、間近に客席が迫り、張り合わされた極彩色の布が壁となり、観客は胎内に抱かれているような心地になる。 「想像してください」 いつもの主宰の末原拓馬...2018.05.27 12:19観劇記
乙戯社:『サイドシートひとつぶんの新宿』 Twitterをフォローして下さっている乙戯社主宰のいちかわ ともさんから、「ゴールデンウィークに初めての主宰公演をするので、観にいらして頂けませんか」というご案内を頂き、GW前半、4日連続で出掛けた疲れが出たのか、前日まで引いていた風邪の気怠さが微かに残る軆で、新宿三丁目にあるatTHEATER『サイドシートひとつぶんの新宿』初日の5/4㈮14時の初回を観に行って参りました。 乙戯社は、『多様な愛を全肯定するラブストーリーを提供する「少女漫画演劇」』を紡ぐ、脚本、演出、主宰のいちかわ ともさんが立ち上げた劇団。 地下への階段を降り、足を踏み入れたのは、客席20人程の小さな劇場。 スクリーンの前に、屋根とドアを外した車が置かれてい...2018.05.17 05:57観劇記
アクト青山:『春の朗読会2~時代の言葉と女優たちの声と~』 2018.4.29(日)17:00 アクト青山。 『春の朗読会2~時代の言葉と女優たちの声と~』を観て、聴く為に私は此処に居た。 ぐるりを囲む客席。真ん中に少し斜めに置かれた机と一脚の椅子。床には、小山を築いた本や、一見無造作に見えて計算されたように、ばらばらと置かれた本がいい塩梅に散らばっている。 『春の朗読会2~時代の言葉と女優たちの声と~』の千穐楽。この夜の回で読まれたのは、原民喜の『夏の花』、上司小剣の『鱧の皮』、太宰治の『あさましきもの』の3作品。 途中、15分と10分の休憩を挟み、2時間程の朗読会だったろうか。 この日、私は、敢えて机に対して正面ではなく、背面の最前列に座った。朗読者の表情を見たくもあったけれど、朗読者...2018.05.16 06:29観劇記
ゲイジュツ茶飯:『ひゅーまん魂*ワ』 2018.4.28㈯14時、新中野ワニズホールで、劇団おぼんろのさひがし ジュンペイさんがプロデュースするゲイジュツ茶飯の『ひゅーまん魂*ワ』を観た。 ゲイジュツ茶飯の公演を観るのは、3回目ぐらいだったろうか。 短編芝居8本、2時間程の上演時間。 いつもとは違う舞台の設(しつら)い。 舞台にも客席を作り、劇場を入って左側の壁を背にベンチを一脚置き、劇場入ってすぐの右手が受付カウンターのある左手に高いスツールが置かれている、その2箇所が舞台となり芝居が行われる作り。 ベンチの前にもスツールの前にも、客席が迫り、舞台と客席の境は無いに等しい。 8本ある舞台全てについて書くのは、流石に無理なので、その中で特に好きな演目2つについて書かせ...2018.05.15 06:57観劇記
シス・カンパニー公演:『ヘッダ・ガブラー』 2018.4.27(金) PM18:30 渋谷Bunkamura シアターコクーン。 久しぶりのシアターコクーン。1階席の真中列のほぼ真中の席へと着く。 大きな本を真ん中から開いたような舞台、正面には大きな鏡、その前には、真紅のソファーが二脚横一列に並び、窓の上には厳しい顔をした年古りた男の肖像画が掛かっている。 一人の女の姿が鏡の中に浮かび上がり、こちらに向かって歩いて来る。まるで、鏡の中から抜け出てこようとするかのように。マーラーのような音楽が流れていたのが止み、暗転となり鏡の中の女の姿は消え、『ヘッダ・ガブラー』の幕が上がった。 『ヘッダ・ガブラー』は、1890年に劇作家イプセンによって書かれた全四幕の戯曲。 この舞台は、高...2018.05.14 12:35観劇記