あやめ十八番:第10回公演『ゲイシャパラソル~紅・墨~』 2018.6.16㈯ 座・高円寺1。 今にも泣き出しそうな空模様の土曜日の昼下がり、高円寺にある座・高円寺1にあやめ十八番第10回公演『ゲイシャパラソル』を観る為に、この日の午後いっぱい私は此処に居た。 一部出演者を除き、昼の回の『ゲイシャパラソル~紅~』夜の回『ゲイシャパラソル~墨~』では、出演者が違う。その両方を観る為に、午後いっぱいを座・高円寺1で過ごした。 昼の“紅”では、舞台右手の前から2列目、よるの“墨”では、舞台正面、前から5列目の席に座り、この舞台を観た。観る場所、角度が違うと目線が変わる。 目線が変わると、観る視点が変り、それはまた舞台を観る視点が変化し、感じるもの、受け取る感情、思いが変わって来ることを意味して...2018.06.24 11:59観劇記
Photo Story Gallery:『涙櫻』 儚い青に、滲むように霞む桜色。 手を伸ばし、掴もうとして零れ落ちて行く春の光。 指の隙間からすり抜けて行く幸せのように、空の青も、桜の色も、はらはらと散り、消えてゆく。 あなたのやさしい眼差しも、温かい掌も、柔らかな微笑みも、包み込む深い声も、瞳の中で空の青と桜の色と溶けて滲んで、ゆらゆら揺れる。 溢れ落ちないように、目を見開いて、空を見上げる。 胸の中で啜り泣く、押し殺した嗚咽が、熱い痼(しこり)となって、喉を塞ぐ。 ヒュッと息にならない息が漏れる。 言葉も無く、ひとり佇む。 幾億の声にならない言葉が、胸の中に降り積もる。 声を失くした人魚のように、焼け付くように痛む足の代わりに、悲しみが血を流す。 儚い青に、滲むように揺れる桜...2018.06.03 14:20photo story gallery