昨日のシェークスピアの『ロミオとジュリエット』のあらすじに続いて、今日はいよいよクリム=カルム『ロミオとジュリエット=断罪』のあらすじについて。
基本的な筋と要所要所は踏まえているクリム=カルムの『ロミオとジュリエット=断罪』。
舞台はシェークスピアと同じ14世紀、イタリアの都市ヴェローナ。
以下、クリム=カルム『ロミオとジュリエット=断罪』のホームページからの引用。
『ローマ教皇と神聖ローマ帝国皇帝との間で起こった聖職者叙任権をめぐる長い争いは、イタリア全土に火種を落とし、ヴェローナの市民を二つの派閥に分断してしまった。
ひとつは「モンタギュー家」を中心とする教皇支持派、そしてもうひとつは「キャピュレット家」を代表とした皇帝支持派である。
様々な思惑が渦巻くヴェローナは異様な緊張感に包まれていた。
そして事件は起きる・・・
大人たちの争い、青年たちの恋、消えゆく命、弔いの叫びは時代に大きな変革をもたらすことになる。
騒乱の彼岸にはルネッサンスの狼煙がうっすらと見え始めていた。』
教皇派と皇帝派の間に起こった聖職者叙任権をめぐる長い争いが原因で、キュピレット派とモンタギュー派に分かれ、両家が代々争い、敵同士であり、最初は、キュピレット家の姪ロザラインに思いを寄せていたモンタギュー家のロミオが、敵の家に連なる姪であるロザラインに思いを打ち明けられず悶々とする中、そのロザラインと恋人同士であり、ロミオが恋しているのは同じキュピレット家の娘ジュリエットだと思い込んだ親友ベンヴォーリオーが、ロザラインを巻き込んで、キュピレット家のパーティに紛れ込み、ジュリエットと引き合わせようとする所から、本筋と要所要所は押さえつつも、クリム=カルムの『ロミオとジュリエット=断罪』になって行く。
この時まだ、ロザラインが愛しているのはベンヴォーリオーだった為、機を得てロザラインに想いを打ち明けるロミオをキッパリと袖にするロザライン。
失恋したばかりの傷心のロミオが、ジュリエットと出逢い、ロミオに一目惚れしたジュリエットから想いを打ち明けられて、ロザラインへの恋心は瞬時に霧消し、ジュリエットと恋に落ちた所から始まる悲恋と悲劇。
改めて、感想のブログに綴るが、話が進むにつれ、ロミオを袖にしたロザラインが、ベンヴォーリオーからロミオへと気持ちを移し、ジュリエットとの中を裂き、ロミオを我が物にしたいと画策する事から、シェークスピアのあの痛ましくも悲しい結末へとロミオとジュリエットを誘うという物語になっている。
このロザライン、シェークスピアの戯曲でも舞台などでも、名前だけしか出て来ない存在。
そのロザラインがクリム=カルム『ロミオとジュリエット=断罪』では、ロミオとジュリエットを死へと導く狂言回しのような重要な役割役割となって登場する。
ロミオとジュリエットの影の主役のような存在と言ってもいい位置に置かれている。
クリム=カルムは、「かわいい」×「古典」の舞台芸術創作チームとホームページに書かれているのですが、この『ロミオとジュリエット=断罪』は、「かわいい」×「古典」+ロックだと観ていて感じた。
きちんと本筋と要所を押さえながらも、かわいさだけでなく、ロックな格好良さも加わって、自由に大胆に繊細に描かれていて、私はとても好きだ。
次はいよいよ、『ロミオとジュリエット=断罪』の感想へと続きます。
文:麻美 雪
0コメント