PhotoStoryGallery:『Lunatic~月夜の森~』

 月明かりに誘われて、迷い込む夜の帳。

 手繰り寄せる痛み。

 危ない森に溶けてくように、誘(いざ)われる月夜。

 狂ったのは誰。狂わせたのはあなた?

 堕ちて行く心。

 紅く染まる哀しみ。掌の切なさ。

 膚を喰む孤独。

 Lunatic。月の鏡に映る蒼ざめた横顔。

 私の胸の底深く、眠らせた罪はただひとつ。

 あなたを愛し過ぎたこと。

 月明かりに誘われて、迷い込む夜の森。

 手繰り寄せた痛みに身を巻かれ、蹲る夜の隅。

 蒼い孤独が身を焼いて、悲しみだけが残る掌を、月に翳して涙が夜に散る。

 photo/文:麻美 雪

麻美 雪♥言ノ葉の庭

昼は派遣社員として仕事をしながら、麻美 雪としてフリーのライター、作家をしています。麻美 雪の詩、photo short story、本や音楽、舞台など好きなものについて、言葉や作品を綴っております。

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