詩:『ジグソーパズル』

 『ジグソーパズル』


 何処にも行かせない
 あなたがきつく
 抱きしめた
 虚ろな私の軆

 あなたは
 知っているのに
 何故そんなに
 やさしく抱くの

 あなたでない
 誰かが
 私を壊して
 棄てたこと

 知っているのに
 あなたはなぜ
 そんな私を
 愛せるの?

 君の過去も
 現在(いま)も
 未来をも
 愛しむのが
 愛だから

 柔らかく笑う
 あなたに
 私はもう
 抗う術も無い

 困ったことに
 そんなあなたを
 求めてる
 虚ろな軆を持つ私

 虚ろな軆も
 虚ろな心も
 ふたりで満たして
 行けばいい

 そんなあなたに
 惚れた私と
 ちっぽけな私を
 愛したあなた

 互いの割符を
 合わせてみたら
 ぴたりと嵌った
 ジグソーパズル

 詩:麻美 雪

麻美 雪♥言ノ葉の庭

昼は派遣社員として仕事をしながら、麻美 雪としてフリーのライター、作家をしています。麻美 雪の詩、photo short story、本や音楽、舞台など好きなものについて、言葉や作品を綴っております。

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