2019.6.30㈰ PM13:30 新中野ワニズホール
友人に誘われ、新中野のワニズホールに、家納 ジュンコさんと劇団おぼんろのわかばやし めぐみさんのユニット、June and Meg の2年ぶりになる『June and Meg ~season5~』を観に足を運んだ。
実は、この友人と出会ったのは、このワニズホールでの劇団おぼんろ主宰の末原拓馬さんのひとり芝居『ひとりじゃできねぇもん』を観に来て知り合ったという、お互いにとって思い出の場所でもある。
June and Megの舞台は、敢えて、広げようとしても広がらない、深くしようとしても深くならない、女ふたりのどうでもよい話をオムニバスで上演するという舞台。
前回に引き続き、今回もわか まどかさんを迎えての女3人によって繰り敢えて広げられる、広げようとしても広がらない、どうでもよい話を4話上演した。
3話目までは、笑いにつぐ笑いで、劇場が楽しい雰囲気に包まれた。
深読みも何もせず、繰り広げられる女3人による広げない広がらない話は、終始寛いで、ただ目の前で起こることをそのまま受け取り、ただ楽しみ何も考えずに笑える事の贅沢を感じて、ただただ楽しく面白い。
最後の話は、ちょっと不思議で、ちょっと怖いのかと思ったら、何となく切ない感じが軆の中にしみじみ、じんわりと残る。
ありふれた日常、いつもの母娘の日々、ずっと続くと思っていた時間。恐らくは、ちょっとした事故、ちょっとした間違いで、勤めていた工場が失火し亡くなったらしい母(家納ジュンコさん)は、休み時間、窓の外遠くを部活で走る娘にいつものように手を振り続ける、その一日がずっと繰り返される世界。
そんな日常では決して迷い込む筈のない空間に迷い込んでしまった、一人の不器用過ぎて仕事が続かない女(わかばやし めぐみさん)が迷い込んだのは、きっと彼女もまた生きることに迷っているからかも知れない。
その世界から抜け出した女には、きっと目に見えない変化が訪れるかも知れない。
最後の話だけ、ちょっと不思議で切ないけれど、全体を通しては、梅雨の6月の最後の日をただただ笑って、楽しんで、すっきりして楽しんだ舞台。
『シンガーメグミ』で、わかばやし めぐみさんの歌が聴け、めぐみさん、家納ジュンコさん、わか まどかさんのはっちゃけた踊りが観られたのが最高に楽しい舞台だった。
文:麻美 雪
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