幻想芸術集団 Les Miroirsサロン公演:『METAMORPHOSES~メタモルフォセス~』

 日曜日の夜観に行った、幻想芸術集団 Les Miroirs『METAMORPHOSES~メタモルフォセス~』。

 観劇ブログの内容に入る前に、そもそも、基にしたオウィディウスの『変身物語』って何?という事について、調べた事に読んだ私なりの解釈を加えてざっくりとした説明をしてみようと思う。

 オウィディウスの『変身物語』と言われてピンと来なくても、ナルシスの語源になったナルキッソスが呪いいにより自己愛に目覚め、やがてスイセンになる話や蝋で固めた翼で空を飛んだイカロスが墜落死する話(昔、NHKのみんなのうたで『勇気一つを友にして』通称イカロスの歌なんて言うのもありました。)、太陽神アポロンが出て来る、要するにギリシア・、ローマ神話の中の変身譚を主要なモチーフとして、古代ローマの天成の詩人オウィディウスが、物語の語り手として、その手腕を存分に発揮した物語が大小あわせて250篇も含まれた、ギリシア・ローマの神話と伝説の一大集成とも言えるのがこの『変身物語』である。

  15巻から成る、ギリシア・ローマ神話の登場人物たちが動物、植物、鉱物、更には星座や神など様々なものに変身してゆくエピソードを集めた物語となっており、中世文学やシェイクスピア、果てはグリム童話にも大きな影響を与えたとされるオウィディウスの『変身物語』。

 オウィディウスの『変身物語』は、読んだことがなくても、プラネタリウムの星座の解説などで、ギリシア・ローマ神話の神々の話は何かしら耳にした事がある人は多いと思う。

 私自身、幼い頃、母に連れられ兄と3人で今は無い、渋谷の五島プラネタリウムに毎月1回1年間通い、その度にアポロンやペガやアルタイルなど、ギリシア・ローマの神話や伝説を解りやすく絡めながらの星座の話に夢中で耳を傾けながら、天井や四方の壁に映し出され移り変わって行く空と星座を目で追い、満天の星空と宇宙に抱かれドキドキしていた記憶がある。

 星空の美しさのみならず、物心ついての本好きな子供だった私は、母にねだって、プラネタリウムで売っていた星座に纏わる神話の本を買ってもらった朧気な記憶がある。

 ことほど左様に、日本の神話や伝説とその神々やクリスチャンであった父とカトリックの幼稚園に通っていた為にイエス・キリストは身近な存在であったところに、ギリシア・ローマの神話と伝説、その神々も身近な存在となった。

 中学~高校にかけて、ギリシア・ローマ神話や伝説を読み耽っていた時期があった。

 にも関わらず、オウィディウスの『変身物語』を読んだ覚えがない。私が読んだのは、ギリシア・ローマの神話や伝説の中でも有名どころを集めた同じ岩波文庫のギリシア神話やローマの神話、伝説の本。

 『METAMORPHOSES~メタモルフォセス~』を観て、久しぶりにギリシア・ローマの神々の神話に触れたくなり、無性にオウィディウスの『変身物語』が読みたくなって購入した程、『変身物語』を幻想芸術集団 Les Miroirsの色彩に変身させた『METAMORPHOSES~メタモルフォセス~』は惹き付けられた。

 今回、幻想芸術集団 Les Miroirsが上演したのはその『変身物語』の中から、『世界の始まり』『ダプネ』『イオ』『アラクネ』『ピュグマリオン』『ミュラと父キュラヌス』『アドニスの変身』『エポパスとパエトン』『パエトン』9篇の物語を、『ミュラと父キュラヌス』と『アドニスの変身』を『ミュラの樹、アドニス』として朗読に、『エパポスとパエトン』と『パエトン』を『パエトーン』として一篇の短編芝居にして、7篇の舞台として上演。

 『変身物語』について、ざっくりの説明の筈が長文になってしまいましたが、次回は、あらすじを絡めつつの観劇ブログへと進んで行きます。

→②へ続く。

文:麻美 雪

麻美 雪♥言ノ葉の庭

昼は派遣社員として仕事をしながら、麻美 雪としてフリーのライター、作家をしています。麻美 雪の詩、photo short story、本や音楽、舞台など好きなものについて、言葉や作品を綴っております。

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