月明かりに誘われて、迷い込む夜の帳。
手繰り寄せる痛み。
危ない森に溶けてくように、誘(いざ)われる月夜。
狂ったのは誰。狂わせたのはあなた?
堕ちて行く心。
紅く染まる哀しみ。掌の切なさ。
膚を喰む孤独。
Lunatic。月の鏡に映る蒼ざめた横顔。
私の胸の底深く、眠らせた罪はただひとつ。
あなたを愛し過ぎたこと。
月明かりに誘われて、迷い込む夜の森。
手繰り寄せた痛みに身を巻かれ、蹲る夜の隅。
蒼い孤独が身を焼いて、悲しみだけが残る掌を、月に翳して涙が夜に散る。
photo/文:麻美 雪
0コメント