Photo詩:『十五夜の月は』

 『十五夜の月は』
 
 山の端に架かる

 十五夜の月は

 逢えなくなった人の

 面差しに似て

 私を切なく

 温かく照らす

 月に住む

 兎のように

 彼の人が此岸に

 留まれるのなら

 この命さえ

 差し出したものを

 十五夜の月は

 今宵も私を

 寂しく

 優しく照らす

 逢えなくなった

 彼の人の命を

 私の中に

 静かに降り注ぐ

 十五夜の月は

 少しだけ

 哀しい

photo/詩:麻美 雪

麻美 雪♥言ノ葉の庭

昼は派遣社員として仕事をしながら、麻美 雪としてフリーのライター、作家をしています。麻美 雪の詩、photo short story、本や音楽、舞台など好きなものについて、言葉や作品を綴っております。

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