言の葉コラム:『二葉亭四迷が訳したI LOVE YOU』

 中学3年の時、授業で二葉亭四迷が日本で最初にILove Youを「御大切に」と訳したと習った。

 ILove Youという言葉が入って来るまで、「愛」という言葉も概念もなかった。惚れるだの、慈しむ、大事に思うという概念はあったのだろうが、「愛」という言葉もなかったのだから、「愛という概念」もないのは頷ける。

 しかし、ILove Youという言葉を訳さなければならない四迷は、悩み抜いた末、「御大切に」と訳したというのだ。

 「御大切に」という訳を私はいい訳だと思う。「愛」は好きな人、相手を思いやり、大切に思う事だから、この訳は「愛」の本質をついていると思うからだ。

 この「御大切に」という気持ちに立ち返った時、自分のパートナーや恋人に感謝と優しさ、愛を感じる事が出来、「御大切に」という気持ちがあれば、連日ニュースで流れる陰惨な事件は起きないのではないだろうか。

 今の時代だからこそ、この「御大切に」という気持ちを忘れてはならないと思うがどうだろうか。

文:麻美 雪

麻美 雪♥言ノ葉の庭

昼は派遣社員として仕事をしながら、麻美 雪としてフリーのライター、作家をしています。麻美 雪の詩、photo short story、本や音楽、舞台など好きなものについて、言葉や作品を綴っております。

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