詩:『あの花はわたし』

 『あの花はわたし』


 薄暗い片隅で

 誰に気づかれることもなく

 陽の当たることもない

 湿った土の

 夜のような

 昏さの中で咲く

 あの花はわたし

 あなたと

 出逢うまえの

 ちっぽけで

 臆病だった

 愛を知らない

 あの花はわたし


詩:麻美 雪

麻美 雪♥言ノ葉の庭

昼は派遣社員として仕事をしながら、麻美 雪としてフリーのライター、作家をしています。麻美 雪の詩、photo short story、本や音楽、舞台など好きなものについて、言葉や作品を綴っております。

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