エッセイ:『モネの空』

 時折、ふと窓の外を見ると、出逢うことが出来る空の色。

 一年の内にも、そうそう頻繁に遭遇することは無い、不思議で美しい空の色。

 印象派の絵のような、淡さを秘めた夕焼けの色。

 一言で表すなら、モネの色。

 モネの絵のような、幾重にも折り重なった薄紅色が、少し離れてみると、そのものの形を柔らかく現れてくるような、繊細で温かで、ほんのりと強さがある。

 こういう空の色を、私は密かに『モネ色』と読んでいる。

 時折、ふと、見た窓の外や、見上げた空が、モネ色の空だと、訳もなく嬉しくなる。

 モネ色の空。

 春は優しく、夏は少し激しく、秋は儚く、冬は切ない色に見える、モネ色の空。

photo/文:麻美 雪

麻美 雪♥言ノ葉の庭

昼は派遣社員として仕事をしながら、麻美 雪としてフリーのライター、作家をしています。麻美 雪の詩、photo short story、本や音楽、舞台など好きなものについて、言葉や作品を綴っております。

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